中卒の学歴からヨーロッパ1のお金持ちになった男に学ぶ人生の生き方
- 2016/2/9
- お金の話
- 今井バフェットの1億円への道

今回は、ヨーロッパで一番の資産家であるアマンシオ・オルテガ氏について。
オルテガ氏は、ヨーロッパ1の資産家として知られており、その資産を一代で築きあげました。
ヨーロッパ1の資産家とはどんな人物なのか?見ていきましょう。
アマンシオ・オルテガ氏とは?
スペイン・カスティーリャ・イ・レオン州生まれのガリシアの実業家。ZARAで知られるアパレルメーカーのインディテックス社の創業者。2011年7月19日に社長の座をパブロ・イスラに譲るまで同社を率い、世界的企業に育てました。
そんなオルテガ氏現在世界で4位の資産家で、ヨーロッパでは1位です。
資産総額は7兆7,000億円。
これ、どのくらいすごいのかというと、日本のほとんど金利が使いないとされる銀行の普通預金(金利0.02%)に預けても年間14億円の利子がつく計算です。
ちなみに同じアパレルで有名なユニクロの柳井正氏は世界45位(日本では2位)です(資産は2兆4,000億円)。
どうやってヨーロッパNO1になったか
1936年、もともとスペインのレオン州で4人兄弟の末っ子として生まれました。
1950年、中学を中退し、13歳で紳士シャツ店のgalaで商品配達人として働き始めます。
客の話をよく聞くオルテガ少年はそのうち接客販売の仕事も担当。
3年後、兄と姉が務めていた服地屋(La Maja)に転職。
同社が販売していた生地を洋服にする事業を提案し、社長に認められ頭角を現し始めました。
その後、バスローブとランジェリーを製造卸販売するアパレル製造業GOAを立ち上げます。
そして、1975年にZARAを創業。
以来国内外に出店を続け、世界一のファッション流通企業へと成長を遂げました。
ちなみにアパレルブランド、ファッション流通企業、世界TOP5は以下です。
1位 ZARA(インディテックス)
2位 H&M
3位 GAP
4位 ユニクロ(ファーストリテイリング)
5位 Lブランズ
国内ではユニクロの存在感は圧倒的ですが、世界で見た場合は4位。
ZARA擁するインディテックスが売上高2兆3,000億円に対してユニクロは1兆1,000億円。
2倍以上の開きがあります。
ZARAは、お客の反応を見てから商品を作りはじめる
ZARAは、顧客が何を欲しがるかは商品を店頭に並べてみなければわからない、
店頭で顧客がほしいものがわかってからその需要に合わせて作り足せばよい、という発想です。
店頭に並んだ商品の売れ行きを見て、顧客が欲しがる商品をすぐに作り足しています。
そのサイクルは平均3週間。
一般に他のアパレルではデザインをしてから店頭に並ぶまでに6ヶ月程度を要することを考えるとそのサイクルの速さは驚異的です。
「顧客の反応をいち早くフィードバックすることで需要予測の正確性(アキュレシー)を高めています」(ZARAの会社インデックスグループ)とのこと。
このスピード性を確保するため、ZARAのトレンドファッション商品のほとんどは本社スペインおよび近郊のポルトガルとモロッコで生産されています。
この点、ユニクロがコスト重視で中国を始めとしたアジア圏に生産をシフトしているのと違いますね。
ZARAが広告宣伝をほとんど行わない理由
ZARAは広告宣伝をほとんど行いません。
売上高に占める広告宣伝費の比率が、最近のデータで以下となっています。
GAP3.9%
ユニクロ(ファーストリテイリング)が4.6%
洋服の青山(青山商事)8.4%
ユナイテッド・アローズは1.9%
世界のファッション業界の広告宣伝費率の水準は3〜5%と言われています。
そんな中、ZARAの非公開であるものの広告宣伝費率は0.3%程度といわれています。
なぜか?
ZARAのオーナーであるアマンシオ・オルテガ氏のコメントは以下です。
「広告によって利益を受けるのは企業であって顧客ではない。
だからこそ私たちは広告に投資する分を商品の質を上げて価格を下げることに使うと決めたんだ。
君が顧客ならどちらを望む?
広告への投資家?
それともより質の高い製品や、より手の届きやすい価格か?」
この考えのもと、ZARAは店舗こそ最大の広告宣伝と考え、好条件の立地に店舗を構えます。
さらに、これはあまり知られていないことですが、ZARAは月曜日と金曜日に新商品を投入し、常に新鮮さを保っています。
このスタイルを貫き、世界No1企業へと発展していきました。
オルテガ氏がメディアに顔を出さない理由
このZARA創業者のオルテガ氏、実はメディアに顔をほとんど出しません。
オフィシャルに公開されている写真もほとんどなく、株主総会にも一切顔を出しません。
そのため、街を歩いていても全く気づかれないそう。
これは、ZARAのブランドイメージとオルテガ氏が重なることを避けるというイメージ戦略によるものです。
漫画家や作家が自身の作品イメージと同様に顔や本名を明かさないのと似ています。
第一線で活躍し続ける、現場を愛するオルテガ氏
オルテガ氏は余計な階層を嫌い、フラットな組織を好むそうです。
社長室などはなく、商品がデザインされている工場やロジスティックセンターに顔を出し、荷物の積み下ろしをしている従業員を見かけると腕まくりをして積み下ろしを手伝ったり、カートを押したりするのだそう。
「世界中のすべての女性におしゃれになってほしい」
創業以来その信念を貫き、常に第一線にいるその姿勢には脱帽します。
本当に好きなことを信念を持って続ける。
オルテガ氏にとっては資産の多寡などどうでもいいことなのかもしれません。