トランプ大統領就任演説について元BCGコンサルタントが感じたこと

アメリカ大統領就任演説聞きました。
トランプ氏に対しては、人によって色々と思うところがあると思いますが、スピーチの仕方に関して言うと、「誰に対して」「どういうメッセージを伝えたいか?」が非常にクリアでうまいなぁと思いました。

トランプさんは自分の支持者層をすごく良く分かっていて、その人たちに伝わるように話されていたと思います。

お時間ある方はぜひトランプ氏のスピーチを聞いてみてください。
http://www.cnbc.com/2017/01/20/transcript-of-president-trumps-inauguration-speech.html

CromeのWeblioアドインを使えばポップアップ辞書も使えます
http://valueenglish.com/blog/weblio_crome/

さて、みなさんはどんな印象をもたれたでしょうか?

トランプ氏は国家のリーダーとして相応しいのか?

スピーチの仕方は良かったとしても、「今の時代の国家のリーダーの発言として相応しいのか?」という視点で聴くと、私はものすごく違和感を感じました。
例えば、
We will bring back our jobs.
We will bring back our borders.
We will bring back our wealth, and we will bring back our dreams.
と言っていますが…

すでに指摘されている方がいますが、weの範囲が狭いですよね。
We(,Americans) will bring back our jobs (from other countries)
って言っているんですよね?

今の時代はWeといったら世界中をさしていたはずなのに、フェイスブックなんかでお隣の国のことはすぐわかっちゃうのに。
weを自分たちの国だけと捕らえると、国家間での格差が広がることに繋がって、国家間の紛争にさえ繋がってしまうのではないかと、不安を感じてしまいます。

時代を逆走している

ある国の人がいて、お隣の国がクリスマスにおいしそうなものを食べていて、自分はもう本当に大変という時。
別にどうなってもいいやと自暴自棄になったら結局何も問題解決になってないと思うんですよね。

日本だって明治時代前までは、国の中に藩(国みたいなもの)があって分かれていた(関所があってパスポートがないと国の中を移動できないようなもの)。
それが、やっとどんどん1つになってきたのに、それを否定してどうするのかなと。

愛国心のとらえ方

個人的には、「愛国心」って大事だと思います。
当然うちの子にも日本人としてのアイデンティティと誇りをもってほしいと思います。
なぜなら、将来国際的な場で発言するときに、自分の軸がなければ何も語れないわけですから。
ここで大事なのは、自分の軸だけにとらわれるだけでなく、相手との違いを理解すること(ちなみにこれも自分に軸がないとできないはず)。
そのためには、ボクシングより空手、英語より日本語、NYより京都だと思っています。

ただ、自分のこと(自国)だけを考えればよいというようなメッセージを発信するのは、「愛国心」を「自己中心的な心」にしたがえばいい(自分の国さえ良ければ他国は知らない)ととらえているわけですよね。
実際は、そう直接的には言えないから、他国は知らないという部分をうまく隠して、体裁のいいことだけを言っているわけですが。
これは決して全体の問題を見ていない気がするんです。
そう言っているだけで、実際に考えていることは違うのであれば、みごとな政治家とは思いますが、なんだかそうじゃなさそうなので、きな臭い世の中になってきたなと思います。

堀場 英雄

堀場 英雄サラリーマン×週末起業(著者・学長)×投資家

投稿者プロフィール

キャリア形成(転職・週末起業)、グローバル人材(英語力、外国人と働く)、最近のニュースで考えたことなどをShare Blogを通じて情報発信していけたらと考えています。

1978年生まれ。名古屋大学卒業、米国の大学院卒業(原子核工学修士)。20代はGE、BCGといった一流外資企業でプロとしての成功を一途に目指す。

しかし!心技体すべてで圧倒的なレベルを求められる超プロの世界にはついていけず、挫折…

30代になり大手メーカーに勤務しながらも、今まで習得してきた「英語力(米国大学院)×財務スキル(GE)×戦略立案力(BCG)」のかけ算で、オンライン英会話学校バリューイングリッシュを設立。同校の学長を務める。

多忙な留学・社会人生活の中でも、効率的に次々とスキルを習得する力には定評がある(理系ながらTOEIC 980点)。

著書には、
「プチスキル」をかけ合わせて「レア人材」になる 一生食える「強み」のつくり方

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