あなたの会社は大丈夫?「失敗の本質」から学ぶ良い組織とは?

失敗の本質を読んでみました。
なかなか敷居の高い本でしたが、今日は、エッセンスをまとめてみたので、ご紹介したいと思います。


失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

例えば、『日本軍の失敗の本質=環境の変化に合わせて自らの「戦略」や「組織」を主体的に変革することができなかった。』

では、どういった組織が「戦略」や「組織」を主体的に変革することができる、いわゆる「自己革新組織」なのでしょうか?
それは、「自己革新組織」=環境変化に適応した後のゲームのルールを自ら規定(パラダイム転換)ができる組織、だと言います。

それでは、その「自己革新組織」について、ポイントをいくつかご紹介します。

変革を妨げる要因等

まず、自ら主体的に変革することを妨げることとは一体何なのでしょうか。
本書では、以下をその要因としてあげています。
・(過剰)適応は適応能力を締め出す(adaption precludes adaptability)
・過去の成功体験が上部構造に固定化し、学習棄却ができなくなる(長老体制の定着等)
・革新(自己否定学習、イノベーション)ができず練磨(たゆまぬ改善)のみに頼る

環境適応のためのあるべき「戦略」

次に、環境適応がポイントとなりますが、そのための戦略として、以下が大事だと言います。
・戦略目的は明確でなければならない(集中を可能にする)
・主観的な漸増主義(積み上げ方式)ではなく、初めにグランドデザインありき
・戦術の失敗は戦闘で補うことはできず、戦略の失敗は戦術で補うことはできない
・白兵銃剣主義、大鑑巨砲主義のようなモノの見方(パラダイム)を固定させない(ゲームのルールの変化に気付かない)→コンティンジェンシープランを用意する、新しい環境に適した戦略の策定の実施
※コンティンジェンシープランというのは、事故を避けるために、車を安全に運転するのではなく、保険をかけておくという行為をとること
・主観的で帰納的な戦略策定=空気の支配というリスクを避ける(方向修正ができなくなる)
・演算(Why so?):(既知の)一般法則→個別の問題を解く
・帰納(So what?):経験した事実→一般的な法則を見つける

環境適応に優れている「組織」

それでは、どういった組織が、この環境適応に優れていると言えるのでしょうか。
・分化(Differentiation)と統合(Integration)という相反する関係にある状態を同時に極大化できる組織
・内部でゆらぎつづけ、ゆらぎが内部で増幅され一定のクリティカルポイントを超え、新しい構造へ飛躍できる組織
・環境を利用してたえず変異、緊張、危機感を組織内に発生させることが出来る組織
・組織としての方向性を各部が理解・価値観が共有されている組織
・組織内の各部で信頼関係が確立されている組織
・自己否定学習(Unlearning)ができる組織
目標と問題構造を所与ないし一定としたうえで最適解を選び出す(シングルループ、改善)ではなく、自己の行動をたえず変化する現実に照らし修正し自己超越的な行動(目的の変更)を含む(ダブルループ)学習プロセスを持つ組織

いかがでしたでしょうか。
皆さんの会社は、「自己改革組織」となれているでしょうか?
もしそうではないと思われるのであれば、変革を妨げているものは何か?そのための戦略がとれているのか?
といった視点で1度分析してみるといいかもしれません。

堀場 英雄

堀場 英雄サラリーマン×週末起業(著者・学長)×投資家

投稿者プロフィール

キャリア形成(転職・週末起業)、グローバル人材(英語力、外国人と働く)、最近のニュースで考えたことなどをShare Blogを通じて情報発信していけたらと考えています。

1978年生まれ。名古屋大学卒業、米国の大学院卒業(原子核工学修士)。20代はGE、BCGといった一流外資企業でプロとしての成功を一途に目指す。

しかし!心技体すべてで圧倒的なレベルを求められる超プロの世界にはついていけず、挫折…

30代になり大手メーカーに勤務しながらも、今まで習得してきた「英語力(米国大学院)×財務スキル(GE)×戦略立案力(BCG)」のかけ算で、オンライン英会話学校バリューイングリッシュを設立。同校の学長を務める。

多忙な留学・社会人生活の中でも、効率的に次々とスキルを習得する力には定評がある(理系ながらTOEIC 980点)。

著書には、
「プチスキル」をかけ合わせて「レア人材」になる 一生食える「強み」のつくり方

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