気になる日本株を分析・予測するコーナー。
ピックアップした銘柄が、長期投資の対象として魅力的かを探っていきます。
今回は東北電力【9506】の株価を分析。そして見通しを分析していきます。
東北電力とはどんな会社?
東北電力は石炭、電子力、液化天然ガスなどを使用して電気・発電事業を営んでいます。
新潟・青森・岩手・秋田・山形・福島・宮城県の家庭、ビジネス、産業に電気を供給しています。
また電力設備などの建設、保全工事と手掛けています。
そんな東北電力、社長は原田宏哉氏。
現在の社員数は24,536人です。
現在の株価は?
現在の株価は1,270円前後です(2016年10月)。
取引単位は100株なので、127,000円程度で東北電力の株を所有することが可能です。
20万以下ですので日本株の中では普通ですが、まあ比較的買いやすいといえます。
(アメリカ株の安さには及びませんが。アメリカ株はアップルやフェイスブックも1万円程度で買えます)
東北電力のPER(株価収益率)は、現在7.61倍。
10倍を割っているのでかなり割安です。
配当利回りは、ありません。
株主優待もありません。
過去20年の長期のチャート
直近のピークは2007年。
そこから今まで右肩下がりです。
上場来最高値は1989年の4,106円。
そして、最安値は2012年の628円です。
ちなみに直近1年のチャートはこちら
去年の年末からキレイな下落トレンドを形成しています。
東北電力の売上高は?
キレイな右肩上がりではありませんが、売上は上がってきています。
まあまあですね。
東北電力のEPS(1株当たりの利益)の推移です
FY2012には大きなマイナス。
そこから徐々に上げてきています。
今後どうやって本格的な再建を測るかが勝負です。
BPS(1株あたり純資産)を見てみましょう
こちらは谷を形成しています。
近年では緩やかに伸びていますが、それでもあまりパッとしませんね。
長期投資に適したBPSの推移はキレイな右肩上がりです。
東北電力のそれは該当しません。
最後に、ROE(株主資本利益率)は直近15.79%
10%を超えています。
意外にも、かなりの高ROEです。
素晴らしいですね。
流動比率は0.75倍。
1倍を切っているので心配です。
東北電力の今後をまとめると
2016年4月に電力自由化もスタートしましたし、今後本格的な再建をしてシェアを取り続けられるかが勝負です。
電力自由化で東北電力は新電力会社への差別化(安定供給や新プランの提案など)をしてくると考えます。
これがうまくいくかが株価に影響を与えてきます。
そして忘れてはいけないのが2011年の3月に発生した東北地方太平洋沖地震。
この震災により女川(おながわ)原子力発電所や八戸、能代、仙台、新仙台、原町火力発電所、複数の水力発電所、地熱発電所などが自動停止、変電設備も大きな被害を受けました。
発電方法の一つである原子力発電は、安定して大量の電気を作り出せますが、放射線の管理は厳重に行われなくてはなりませんでしたが、この震災により原子力発電の最大の欠陥が露呈してしまいました。
これを受け日本では、原子力発電という発電方法の是非が問われています。
(ちなみに、原発事故が起こった福島第一原子力発電所の所有は東京電力です)
インフラ株ということであっさり潰れることはないかと思います。
PERが低く、ROEが高いのも魅力ですが、EPSやBPSの伸びがパッとしません。
そんなにわるくはありませんが、現段階ではそこまで魅力を感じませんでした。
これで、高配当だったらまた変わってきたかもしれませんが。
ということで次の銘柄を見ていきましょう。